ねずみ小僧は、実は姉弟の二人一役だった…。そんな奇抜な設定で、小川真由美､中村雅俊の名コンビが贈る、オカシクて素敵な時代劇コメディ。文学者の与謝野ハル子（松坂）が、ねずみ小僧の研究のため次郎吉（中村）とお駒（小川）のもとを訪ねる。二人は若い頃の回想を始めた。時は江戸時代。深夜の鐘が鳴る頃、金竜寺境内にある麦とろ屋の一室から次郎吉が動き始める。彼は黒装束に身を包み、豪商の家を狙って金品を盗み出すねずみ小僧だったが、実のところ、夢遊病者であった。そこで、姉のお駒が代わりにねずみ小僧となって貯まった盗品を貧しい人々に配って歩いていたのだった。町中、ねずみ小僧の噂でもちきりだった。